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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
「ア、僕たちのところへ来るんだぜ。僕たちをつかまえるつもりじゃないかしら」
保君がいちはやくそれと察して、心配そうにささやきました。
「そんなことはないよ。僕たちをひどい目にあわせるはずはないよ。僕たちはあの子供の命の親なんだもの。ごらん。みんなこわい顔なんかしていないじゃないか」
哲雄君が、近づいて来た土人たちの表情を見ていいました。
いかにも、土人たちはみな優しい顔をしていました。中にも先頭に立っている、長い白髭を胸にたれた老人は、この土人たちの中で一番えらい人なのでしょうが、何となく威厳のある顔に、ニコニコと微笑さえ浮かべています。
三人は、その様子にいくらか安心して、でも一郎君は、例の銃を両手にかまえて、イザといえば発射できる用意をして、じっと土人たちの近づくのを待っていました。
近づくにしたがって、土人たちの服装もハッキリわかって来ましたが、最初考えたとおり、それはやっぱり金の兜、金の鎧だったのです。
兜は、日本はもちろん、西洋のどこの国の兜にも似ていない、妙な形のものです。全体がキラキラ光る金色の火焔の形をしているのです。頭の上で炎々と火が燃えて、その金色の焔がうしろの方へ風になびいているような、勇ましい形につくってあるのです。