轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1940(昭和15)年4月~1941(昭和16)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 页
しかし、しばらく待っていても、そんな様子はなく、犬は一度木立の中へ姿をかくしたかと思うと、又そこから飛びだして来て、さも「大丈夫だから早くいらっしゃい」と言わぬばかりに、はしゃいでいます。
「大丈夫らしいよ。行ってみようよ」
三人はいくらか安心して、林の中へ入って行きましたが、土地はすっかり乾ききっていて、泉らしいものも見あたらず、近くに川が流れている様子もありません。
「オヤ、妙なものが落ちているぜ」
保君が立ちどまって、靴の先で、フット・ボールの球を小さくしたような、茶色の丸いものをコロコロころがしたり、ふんづけたりしていました。
「こんちくしょう、これでもか、これでもか」
いくらふんでもなかなかつぶれません。
保君は、それがあまり固いのにすっかり腹を立てて、ポケットにもっていたジャック・ナイフを出して、グサッとつきさしました。すると、その中からドロドロした液体が流れだしました。そして、そこから何とも言えない甘い匂がただよって来ました。
「これ椰子の実だよ。ホラ学校の標本室にあったじゃないか。あれだよ、あれだよ。もう川なんか探さなくてもいいよ。あれをごらん、椰子の実がどっさりなっているじゃないか。