轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

11 第十一分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 186,659 字 · 372 页

青空文庫

家臣の山田佐内は、奥方の声に、あわててその前にひざまずき、

「さぞ、お冷え遊ばしましょう。もう程なく、初鹿野どのも、お帰りでございましょうから……」

と、人々の焦躁を察して、なぐさめた。

「いえ、寒さなど、厭いはせぬが、余りにも、お客の伝右衛門どのは、長ばなしではないか。……もしや、殿との間に、口論でも起して、争うておいで遊ばすのではないか。…佐内、そっと、見て来て下さい」

「ご心配なされますな。万一、初鹿野どのが、どんなお気持に出るかも案じられ、客間の外に、若い武者どもを三、四名伏せて、いざといえば、初鹿野どのでも、生かしてはおかぬ覚悟でおりまする」

「日頃から、殿とも、お親しい伝右どの。お人も好いお方。むざとしたことの起らぬように、何とか、早う帰っていただく思案はないであろうか」

「いやいや、もう御一家の退去を、充分、覚っておられる初鹿野どの。めったに放しては、殿を初め、御一同の破滅です。背に腹は代えられませぬ」

「そこのところを、事をわけて、殿には、篤と、伝右衛門どのに、熟議しておいで遊ばすのではないか。何せい、心もとないことじゃ。佐内、御様子をおうかがいして来て賜も」