轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
08 第八分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 页
玄蕃のために、あたまからがんと喝破されて、手痛く参ったようにも見えるし、反対に、冷眼一瞥、相手を歯牙にもかけていないとも見られるのである。
なおいえば、児童が爪を噛んで何かに拗ねているような稚態と、老僧が山月に嘯いて世にとぼけているかの如き狡いものとを、猿面郎と綽名されているその類の少ない顔にぼかして、巧みに微酔の体を作っているものと思われぬこともない。
「なに、間が悪うなると。嘘をいえ。何の、猿が……猿が……あははは」
こよいの玄蕃もまた、日頃の玄蕃に輪をかけた傍若無人ぶりである。燃えない物にむりに火をつけて烈火を誘おうと努めているようなところもある。
「猿。……これは失言だった。しかし二十年来世上の通り名、一朝にしてはあらたまらぬ。――左様、その猿で思い出した。むかし、この清洲のお城に、猿に似た御小人が、雑用にくるくる追い使われていた当時、そこにおるわが叔父も、まだ権六勝家と申されて、折々、宿直なども勤められていたそうだが、……或る夜、つれづれのまま、猿を招いて酒をのませ、酔い疲れて横になったついでに――猿よ、すこし足腰を揉んでおくれぬか――と申したところ、おやすいことと、猿は如才なく、権六の足腰を根気よく揉んだそうな」