轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
08 第八分冊
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,758 字 · 383 页
それでまず一方はよし、というわけだな」
「――が、ここで毛利方の人質は、きれいにお返しあっては如何ですか」
「人質を返せと」
「そうです。留めておいても効ない人質などは、御返還あるこそ、良策かと思われますが」
「……ム。いかにもな」
孝高の説明をまつまでもなく、孝高の考えは、すぐ秀吉に頷かれた。
帰するところ、これから羽柴の征かんとする一戦は、光秀を撃つか、光秀に撃たれるかにある。もし光秀に敗るるほどなら、毛利家の人質を抑えていたところで何の益にもならないであろう。
もしまた、光秀を誅戮して信長のとむらい合戦を果し、義を天下に唱えんか、天下はおのずから秀吉の手に傾いて来ないわけにゆかない。そうでもなれば、たとえ人質を取っておかなくても、毛利氏一族がふたたび反抗を示そうとは考えられない。むしろこの際、彼に対して恩を施し、彼の歓心を求めておくことのほうが、いかにその効果が確実に後でものをいうことになるか知れないとなすことが、官兵衛孝高の意中であり、秀吉の察したところだった。
「たれを添えて返しにやるか」
「てまえの家臣を遣りましょう。返還するについては、先方から借用して置きたいものもございますから」