轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

わせだだいがく

早稲田大学

尾崎 士郎

尾崎士郎『早稲田大学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「早稲田大学」凡例、早稲田大学、早稲田大学について、風蕭々、学校騒動。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,204 字 · 220 页

青空文庫

学校騒動

1

1

その年(大正六年)、二十歳になったばかりの西方現助は、ある日の午後、寄宿舎の門を出て鶴巻町の大通りへぬけようとする曲り角で彼の先輩である東山松次郎に会った。東山は浴衣を着て両袖を肩にたくしあげている。彼は苦学力行の士であった。政治科在学中から「青年雄弁」という雑誌を経営し、自分でその社長になっている。小柄でいつも色艶のいい頬をしていた。――精悍で、キビキビしているだけに、素ばしっこく、ぬけ目のないかんじが一挙一動の中にくっきりとうかびあがっているのである。どの大学や専門学校でも雄弁会全盛の時代なので、彼がその頃売れだしたばかりの「野間清治」の向うをはって、「青年雄弁」の発行を企てたことはたしかに着眼の妙を得たものであった。西方現助は予科生の頃に、東山の雑誌の編輯長で、「早稲田大学雄弁会」に羽振りを利かせていた木尾鉄之助にたのまれて、「青年雄弁」の臨時記者になり、その頃、新帰朝者として英文科の教授になったばかりの坪内士行の演劇論に関する談話筆記をやったことがある。もちろん、報酬なぞを意識においてやった仕事ではない。むしろ、そういう仕事に関与しているというだけで彼は内心得意でもあれば、そのとき自分を推挙してくれた木尾に対して尠なからず感謝もしていた。