轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎士郎『早稲田大学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「早稲田大学」凡例、早稲田大学、早稲田大学について、風蕭々、学校騒動。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,204 字 · 220 页
4
4
小野の死が、残された人たちにあたえた衝撃は大きかった。ある意味で、東京専門学校にとっては致命的といっていいほど深刻なものがあったが、それにも増して大隈の悲嘆は誰れの眼にも痛々しく映った。
「まるで一ぺんに両腕をもがれたようなものだ」。
大隈はげっそりした声で呟いた。
しかし、彼の残した東京専門学校は、その後、数年ならずしてあたらしい実を結んで、明治十九年三月には、経営の主体ともいうべき、高田早苗、天野為之、坪内雄蔵、田原栄、市島謙吉等のあいだに学校を独立の経済に委ねようという議が起って、改進党からもはなれ、大隈総長からの補給も辞して、自立経営によって天下の公器たる実を全うするという案が満場一致で可決された。学生の数はすでに千を超えているし、専任教授の数もふえ、東京専門学校は今や一種独特の学風をもつ、私立大学として押しも押されもしない存在を保っている。
見わたすかぎり縹渺とかすむ田圃と森であった早稲田村は学校が創立されて数年経たぬうちに新市街となり、鶴巻町、山吹町というような町名がつぎつぎとあらわれてきた。特に矢来坂から江戸川に通ずる中間をつらぬいて校門に達する鶴巻町の街路は、政界の長老であり維新の元勲であるよりも以上に、今や在野の大政治家として、国内だけではなく、ようやく世界的存在に化しつつあった大隈