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わせだだいがく

早稲田大学

尾崎 士郎

尾崎士郎『早稲田大学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「早稲田大学」凡例、早稲田大学、早稲田大学について、風蕭々、学校騒動。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,204 字 · 220 页

青空文庫

それを教授の過半数、ならびに少壮教授の集団である恩賜館組が進んで高田派たるべきことを表明しているときに、少数の不平分子を狩りあつめ、進んで平地に波瀾をまき起そうとするのは自家の権勢慾に固執しようとするものである。

むしろ、今日に及んでは天野の反省を待つまでもなく、泣いて馬謖を斬るべきであるという強硬論が、ようやく学校主脳部の感情を支配するようになってきた。

学校側が次第に積極的な態度をとって対外宣伝に乗りだしてくる頃には、「革新団」の結束はいよいよ鞏固になり、剣道部の総大将である伴重吉を主心とする実行組は、運動部を基本にして一つの組織をつくりあげていた。最初のうち玉突屋の二階へ毎日のように顔を出していた雄弁会所属の学生政治家たちは、ほとんど姿を見せなくなってしまい、不言実行を綱領とする筋骨隆々たる学生たちの、鶴巻町の通りを肩で風を切って横行濶歩する姿が、街の住民たちの眼にも険悪な空気のちかづきつつあることを予想させるようになってきた。久しく会わなかった新藤喬が、熊本から上京してきた堅木実とつれだって、下戸塚の下宿へ西方を訪れたのは、八月もそろそろ終りに近づこうとする、大気の爽やかな、ある朝であった。