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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎士郎『早稲田大学』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「早稲田大学」凡例、早稲田大学、早稲田大学について、風蕭々、学校騒動。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,204 字 · 220 页
と難詰し、更に言葉を転じて、外人に土地の所有権を与える不都合を責め、大隈の改正案は国権を誤るものであると極言した。
後藤が着席するのを待って、すぐ山県が立ちあがった。山県の詰問も相当に辛辣を極めたが、大隈は終始黙々として耳を傾けていた。
彼等がしゃべっているあいだ明治大帝は一言も発せられなかった。四時を過ぎると、黒田がだしぬけに立ちあがって御座所に向い、入御あらせられることをお願いした、御前会議に最後の決定をあたえないで終らせようというのが黒田の腹であったが、大隈の引責辞職と否とにかかわらず、黒田内閣の命運が旦夕に迫っていることは誰れの眼にもハッキリと映っていた。午後四時半、宮廷を退出すると大隈は、ひと先ず霞ヶ関の官邸へ帰るつもりで、馬車を走らせて桜田門をぬけ、外務省正門にちかい坂にさしかかった。
濠の水面には夕陽のかげが落ちている。今日の閣議で、さすがに全身に疲労をおぼえた彼はぐったりと馬車の背によりかかり、身体をうごかすはずみで傾きかかったシルクハットに片手をかけたときであった。一人の男が外務省の塀のかげから、ゆっくりと大股に歩いてきた。彼はその頃流行ったボタンの五つついたモーニングに縞ズボンを穿き、大きな蝙蝠傘を大事そうに抱えていた。