轻松读懂日语经典作品
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
象の鼻「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年1月<br>消えた足跡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年2月<br>智恵の火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年3月<br>名探偵「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年4月<br>空中曲芸師「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年5月<br>針の穴「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年6月<br>お雛様の花びん「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年7月<br>幼虫の曲芸「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年8月<br>冷たい火「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年9月<br>魔法眼鏡「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年10月<br>月とゴム風船「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年11月<br>兎とカタツムリ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1942(昭和17)年12月<br>白と黒「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年1月<br>風のふしぎ「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年4月<br>飛行機を生み出すたのもしい力「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1943(昭和18)年7月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 页
「一太郎さん、うまく考えたわね。お母さんもすっかり感心してよ」
と、ほめて下さいましたが、なぜか、そのままそばの火鉢の中をのぞきこんで、火ばしでしきりと灰をかきさがしていらっしゃるのです。
「お母さん、どうしたの。火鉢の中へ何かおとしたんですか」
一太郎君がたずねますと、お母さんはちょっときまりが悪いような顔をして、
「エエ、あんたたちの方へ気をとられていたもんだから、ミシンの針を取りかえようとして、それを灰の中へおとしてしまったのよ」
マリが穴の中へおちたかと思えば、今度は針が灰の中へおちたのです。妙に面倒な場所へ物の落ちる日です。マリの方は大きいものですから、取出すのにわけはありませんが、灰の中へ細い針がおちたのでは、容易に探し出せるものではありません。
でも、お母さんは、あきらめ切れないように、いつまでも火箸で灰をかきさがしながら、おっしゃるのです。
「今は物を大切にしなければならない時でしょう。それに、ミシンの針はなかなか手に入らないのよ。一太郎さん、どうかしてさがし出す工夫はないかしら」
一太郎君は、これは、難題だと思いました。火鉢の灰の中へ十銭玉などをおとしてもなかなか探し出せないものですが、それが針のような細いものでは、一層やっかいです。