轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あさがおぞうし

朝顔草紙

山本 周五郎

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1938(昭和13)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,019 字 · 29 页

青空文庫

即ち采女はずっと鶴ヶ浜の下屋敷にいて、そこから登城すること。下城の刻限は一日おきに晩く、早い日が酉の上刻(午後六時)晩い日は戌の下刻(午後九時)に及ぶこと。登城下城の供は厳重を極め、鉄砲二挺、槍七本、徒士二十人という人数であること、等である。

「討つなら晩い下城の途中だ」信太郎はそう思った。

然しそれにしても相手は人数も多く、鉄砲という武器があるから、余程その場所と時とを選ばなければならない、五日めの夜、信太郎はその場所を捜して、三ヶ所を得た、その一つは宗念寺の塀外である。そこは片側が寺の長い土塀、片側が杉林と竹の疎林になっていて、狙うには如何にも屈竟である。

「面白いぞ、彼等が柴野靱負を暗殺するのに用いた場所を、こっちでそのまま返上してやるとしよう、ここに限る」信太郎はそう決めて帰った。

馬場外の屋敷へ帰って、自分に与えられた部屋へ入ろうとすると、奥の間から琴の音が聞えて来た。ふと足を停めて聞くと、

しののめのまがきに

露をふくむ朝顔

玉のかずらたおやかに

かかる花のおもかげ――

「ああ、――いつかの朝顔の曲……」

信太郎は、この四五日忘れていた悲しみが、満潮のように胸へ甦ってくるのを感じた。