轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ほんしゅうおうだん かんしゃくとほりょこう
本州横断 癇癪徒歩旅行
押川 春浪
「冐險世界 第四卷第拾貳號」博文館、1911(明治44)年9月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,749 字 · 45 页
「荷物なんか構うものか。△△屋の前は知らん顔に素通りして、後から宿屋の者を取りに遣る。ぐずぐずいったら査公に持って来て貰うさ」
「そうじゃそうじゃ」と評議一決。やがて黒羽町に入込むと、なるほど、遊廓と背中合せに、木賃宿に毛の生えたような宿屋が一軒、簷先には△△屋と記してある。
「これだな」と、一行は澄ました顔をしてその前を素通りしながら、そっと横眼を使って店内を眺めると、有るわ有るわ、天幕、写真器械、雑嚢など、一行の荷物は店頭に堆高く積んである。宝の山に入りながらではないが、我が荷物ながらオイ遣せと持出す訳にも行かず、知らぬ顔に一、二町スタスタ行き過ぎると、忽ち背後からオーイオーイと呼ぶ者がある。振返ってみると、なるほど、梅ヶ谷のような大女、顔を真白に塗立てた人三化七が、頻りに手招きしながら追っ掛けて来る。
「ソラ来た」というので、一同ワッと逃げ出す。その速い事! 今までの足の重さもどこへやら、五、六町韋駄天走りに逃げ延びて、フウフウ息を切らしながら再び振返ってみると、これはしたり、一行中の杉田子は、件の大女に掴まって何か談判最中。救助隊を出さねばなるまいという者もあったが、ナァニあの先生が捕虜になる気遣いはないと、一同は一足お先に那河川に架けたる橋を渡り、河畔の景色佳き花月旅店に着いて待っていると、間もなく