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とうきょうじんのだらくじだい

東京人の堕落時代

杉山 萠円

「九州日報」1925(大正14)年1~5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,226 字 · 247 页

青空文庫

Sというのはエスケープの略語、即ち学校をなまける事で、日本の学生特有の読み方である。それを米国のKKK団、又はIWW団の真似をしてSSSとしたのであったが、この時まではまだ不良と名づける程の仕事もしていなかった。活動見物とか、カフェーの只飲み、喰い逃げ、付け文位が関の山であった。しかしそのSSSへ不良青年がまじるようになると、いつの間にか仕事が著しい不良性を帯びて来た。同時に文房具にSSSというのが出来たので、改めてSMSと改名した。

「このMという字が問題です。元来日本の学生は外国の文字に勝手な意味をつけるので、漢字でもそうだそうですが、Bの字を臀部の恰好に考えたり、IWを色女なぞと読んで見たり、実にどうも……」

と先生は茶を飲んだ。

この流儀でSMSは、Mの字を男性のあるもの、Sを少年の意味に使って、SMSというと或る怪しからぬ行いを仕事にする団体という意味にしたものであった。無論、かなり堕落した学生ででもなければ、そんな意味はつけ得なかったのである。

その中にSMS団はMMM団と改称された。Mの字の意義が高潮して女の方にも関係するようになった事が、この改称に依て察せられる。