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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

04 第四部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 178,724 字 · 355 页

青空文庫

そこには校友会の委員だけでなく、五年のほとんど全部と四年の一部とが押しかけて来ており、廊下まで一ぱいに人垣をつくっていた。そして一通り報告がすむまでは割合静かだったが、そのあとは蜂の巣をつついたように騒がしかった。発言もむろんもう委員だけには限られていなかった。

「もう血書を出してから、今日でまる三日だぞ。県庁はいったい、いつまで考えているんだ。」

「校長なんか相手にするのが、そもそも間違っている。なぜ最初から県庁にぶっつからなかったんだ。」

「代表はもっとしっかりせい。」

「代表だけじゃない。校友会の委員全部が甘いんだ。自分たちだけが血判をすれば、それで全校を代表するなんて考えるのは、そもそも生意気だよ。」

「ぐずぐずしていて、朝倉先生の退職が発表されたら、誰がいったい責任を負うんだ。」

「県庁に向かってすぐ行進を起せ。」

「行進は全校生徒でやるんだ。そのまえに授業を休んで、まず生徒大会をやれ。」

「そうなるともうストライキだが、みんなにその決心があるのか。」

「あるとも。目的が達しられなければ、どうせストライキと決まっているんじゃないか。」

「そうだ。道はもうはっきりしているんだ。