轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

04 第四部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 178,724 字 · 355 页

青空文庫

学校からせいぜい三十分ぐらいじゃないかね。それにあの辺は空気もいいし、場所としてはここよりか却っていいだろう。」

次郎にとっては、これは、しかし、かろがろしく返事の出来ることではなかった。白鳥会の文庫も、それが朝倉先生と直接に結びついていたればこそ意味があったのだ。それを自分の家に運んでみたところで、指導の中心を失った今となっては、大して用をなさないであろう。単に小さな図書館の役目をするだけのことなら、わざわざ遠い郊外まで行かなくても、もっと完全なのがこの町にもあるのだから。むろん白鳥会の命脈はたやしたくない。それには一定の集会所がほしいし、集会所を持つとすれば、この文庫も生きてくる。しかし、自分の家が果してその集会所に一番適したところであるかどうか。かりに適したところであるとしても、それをみんなに諮らないで、文庫だけを先に運んでしまうのはどういうものだろうか。彼はそんなふうに考えて、急には返事が出来なかったのである。

朝倉先生も、何かちょっと思案していたが、

「君、白鳥会は何とかしてつづけていってくれるだろうね。」

「それはむろんです。」

「しかし、君も、もう間もなく卒業だね。