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みとばいふ

水戸梅譜

山本 周五郎

「芸能文化」1942(昭和17)年11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,607 字 · 25 页

青空文庫

「それはすっかりお任せ申します、この千波ヶ原はこなたさまのおちからで田地になったのですから、どのようにも、お指図どおりに致したいと存じます」熊七の言葉につれて、みんな同意を表した。

六人はその明くる日また五郎兵衛の家へ集った。くるまやの求める増し年貢は不当にすぎるので、こちらで負担に耐える限度をきめ、もしそれで承知しなかったら、その事情を述べてこちらから代官所へ訴え出よう、そのほうが公明でよいと五郎兵衛は心をきめていた、それで六人それぞれの条件を持ち寄らせたのである。その相談は三日ほどかかった、そして出来あがったものを持って、五郎兵衛がくるまやを訪れた。けれど六造は会おうとはしなかった、――土地はこちらのもの作物はそちらのものだ、こちらの求める年貢が納められないのなら、土地を返して貰うだけのはなしで、このうえかけあいをする必要はない。そういう無道な返辞を召使の者をとおして云うだけだった。――それではしかたがないから、こちらは代官所へ訴えて正邪の裁きを願う。そう押し返して云ったが、六造はどうなり自由にしろと平気だった。それで五郎兵衛はその足で河田へむかった。