轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かがくはやくにたつか

科学は役に立つか

中谷 宇吉郎

「心」平凡社、1954(昭和29)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,240 字 · 41 页

青空文庫

こういう国とくらべてみたら、私の経験では、日本の学者くらい、精神的に優遇されている連中は少ないように思われる。昔のドイツの風潮がはいってきたのだという人もあるが、私たちにとっては、まことに結構な風潮が輸入されたものである。生活できるだけの月給をやっていないので、そのかわり、学問の自由とか、大学の自治とかいう、自己慰安の飴をしゃぶらせておくのだという、穿った批評をする人もあるが、私はそうは考えない。

国民一般も、学者とか学問とかいうものに漫然とした尊敬の感をもっている。何だかよくわからないが、偉いのだそうだという気持である。これは小学校だけしか出ていない農家の人たちだけの話ではなく、相当高い教育を受けた人たちの中にもこういう気風があるらしい。いつか学術会議の選挙について、とかくの批評があったときに、或る新聞に「今度の選挙では、ただ一つ得るところがあった。それは学者でも、代議士でも、選挙となると、全く同じようなものである、ということがわかったことである」という短評が出ていた。学者は代議士よりも、それまでは上位に置かれたわけで、大いに有難くもあるが、またこそばゆい感じもする。