轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちくはくき
竹柏記
山本 周五郎
「労働文化」労働文化社、1951(昭和26)年10月~1952(昭和27)年3月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 45,798 字 · 91 页
「しばらくでした、御長男を儲けられたそうですね」
八束のほうからそう呼びかけた。
「お祝いにゆかなければならないんですが、遠慮するほうがいいと思ったので、つい失礼していました、どちらもお丈夫ですか」
彼は明るい顔をしていた。血色もよく、眼つきにも冴えた力がこもっていた。あの頃の卑しく汚れた感じや、不健康な疲れはきれいに無くなって、彼本来の、賢い聡明な性格が、活き活きと脈搏っているようにみえた。
「ちょっと話があるんですが」
八束はこう云って、廊下の隅のほうへ孝之助をさそった。
「職制改革について、格式の更新を願い出たのは、貴方だということを聞きましたが、それは事実ですか」
孝之助はそうだと答えた。
「まずかったですね」八束は眉をひそめた、「――もう少し時期を待つべきでした、あのとおり気の短い御性質で、それに大名もの識りの狭い御思案しかないから、御改革に対する不満、というふうにとられたらしいんですよ、もちろん高安さんの主張は正しい、格式上の負担をそのままにして、職制だけ変えるというのは片手おちですからね、しかしもう少し待ってからにすべきでした」
孝之助には云うことはなかった。