轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

こうばいつきげ

紅梅月毛

山本 周五郎

「富士」大日本雄辯會講談社 、1944(昭和19)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,869 字 · 32 页

青空文庫

と苦笑するとおり、ぜんたいの感じが枯れてきたようであるが、それが却って奥底の深いしみじみとした風格となって、どうかすると俗塵を超脱した老僧のような印象を人に与えるのだった。「これはまだ内聞ではあるが、ちかぢかうち将軍家において大切な御祝儀がある」忠勝は低いさびのある声で云った、「そのおり伏見城の大馬場において馬競べを催すゆえ、譜代の家中よりおのおの一騎ずつ選んで出すようにとの御内達があった、……それで当城からも一名だけ選びだすわけであるが、一代名誉の催しといい、此処に集った者はいずれも馬術堪能で、おれから誰とも指名がしにくい、そこで誰にも不平のないよう、そのほう共から札を入れて、最も数多く入った者をそれに当てようと思う、もしこれに異存のある者は遠慮なく申し出るがよい」

みんなにわかに膝を固くした。近いうち家康が秀忠に世を譲るという噂はかねて聞いていた、それは前年の六月はじめて西国諸侯が江戸へ証人を送った頃からの噂で、「大切な御祝儀」というからにはそれが事実となるに違いない、そうだとすれば正しく一代名誉の催しである、われこそ、と思わぬ者はなかったであろう、忠勝はそれを察して入れ札という方法をとったのだ。