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びじんたかじょう

美人鷹匠

大倉 燁子

「婦人倶楽部 一八巻九号」1937(昭和12年)7月増刊号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,870 字 · 26 页

青空文庫

故意とだろう、古風な装いをして、紫被布なんか着て、短かく端折った裾から浅黄色の足袋をのぞかせ、すっきりとしたいい姿を見せていた。笠の赤い紐が白い頤にくびれ込み、いかにも奇麗な女らしく思わせた、物珍らしいので見物の眼はこの美人鷹匠に吸いよせられている。

大勢集ったところで、撞木に止っている蒼鷹を彼女は手に移し、声を張り揚げた。

「呼上げ、呼下し、最初にまずそれを御覧に入れましょう」

松の樹の上に鷹を放ち、餌箱をカタカタ鳴らして自分の腕に呼び下したり、また松の樹の上に呼び上げたり、一通りやってから、

「こん度は振替渡り――、さあ、どなたか肩を貸して下さい。鷹が飛び移りますから――」

群集の中からモジリ外套の男が飛び出した。鷹は忽ちばさりと厚ぼったい羽音をさせながら、その男の肩へ飛び移った。見物は喜んだ。

訓練法がすむといよいよ鷹狩だ。後方に蹲踞でいた五十余りの男はその時ツト起ち上って、

「さア、皆さん、雀にしましょうか、それともぐッと奮発して鳩とやりますか、――雀が十銭、――鳩が三十銭、――坊ちゃん、嬢ちゃん、さア、さア、お土産に生捕って下さい!」

と声を枯らして叫んだ。