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びじんたかじょう
美人鷹匠
大倉 燁子
「婦人倶楽部 一八巻九号」1937(昭和12年)7月増刊号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,870 字 · 26 页
と言葉を濁した。
医者が死亡診断書を書くのを拒んだのも当然だった、やがて判明したところによると、ある恐しい毒薬が傷口から入ったものだという事であった。
鷹の爪に毒を塗ってあったものではないかとの疑いで、一度釈放された美人鷹匠へ捜査の手がのびた。女は已に行方を晦ましていたが、ほどなく三河島の百軒長屋から挙げられた。
厳重な取調べが行われたが、ただ泣くばかりで、何も答えなかった。
一人の刑事は女の身許を洗って来て、司法主任へ報告した。
「岩下ハナ、二十七歳、前科があります。窃盗犯で、出所したばかりです」
「連れの男は亭主か?」
「いいえ、父親です。正式の結婚は一度もしていませんが、私生児が一人ありました」
「男か? 女か?」
「男の子です、が、死亡しました。――以前には相当にやっていた小鳥商だったそうですが、その店もたたみ、この数年はひどく困っていたらしいんですが、最近子供相手のああいう商売を始めたのです。自分では先祖に鷹匠があったので、それを縁に始めたのだと云っていたそうです」
「鷹狩で相当の収入を得ていたのか?」
「大分あったらしいんですが、借金があってその方に引かれてしまうので、稼ぐ張り合いがないと近所の者にこぼしていたそうです。