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たいない
胎内
三好 十郎
「中央公論」1949(昭和24)年4、5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 68,766 字 · 136 页
そうだろう?
佐山 そうですね。今掘っていた――
花岡 まちがいないね?……それが、しかし三人であんだけ掘って……すると、このほかに、もっと地盤のやわらかい――か、この、外までの地盤の薄いところは――思い出せねえこたあねえだろう?
佐山 ……ですから、命令でもって、めくらめっぽうに掘っただけなんだから。……だいたい、測量もなんにもしないで、いきなり山のどてっぱらをドンドン、この――
花岡 入口のユカは、たしか、外の地面と同じ――つまり水平だったなあ?
佐山 そうですねえ。
花岡 両がわの山の斜面とは直角だったかね?
佐山 ……そうだなあ、だいたいまあ――
花岡 で、山の斜面の角度は、どれくらい? 四十五度、上だったか下だったか――?
佐山 ……崖みたいな――とにかく登れはしなかったんだから、四十五度より下ではありませんねえ。
花岡 ……(目をすえて考えている。再び、追いつめられたような絶望の色がギリギリと現われて来る)(……思わずかすれた声で)すると、やっぱり入口の戸をなんとかするより方法はない。(……急にカッとして)なぜ、あんな、――ぜんたい、なぜあんなコンクリートで固めたりしたんだ、戸を? え? 戸だぜ? え?