轻松读懂日语经典作品
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いもがゆ
薯粥
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1943(昭和18)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,018 字 · 24 页
早瀬というのはまだ二十そこそこの青年だった、かれは前の例をよく心にとめたようすで、ひとりなにか頷きながら位置に立ち、やがて呼吸をはかって走りだした、こんどは隼人は声をかけなかった、早瀬はいっさんに走せつけ、刀をふるってえいと斬りつけた。しかし青竹と刀の切尖とは五尺もはなれていたし、斬りつけた余勢でかれは右へのめって膝をついてしまった。
「代ってつぎ松田氏」隼人はすぐそう叫んだ。五人まで続けざまにやらせたが四人めのひとりが、青竹を叩き伏せただけで、ほかの者はみな失敗した。
「みんな見たとおりだ」隼人は元の場所へ戻って来て、ずっとかれらを見なおしながらいった、「青竹一本でも今のようにしてはなかなか斬ることができない、なぜ斬れないか、それは貴公たちの頭に疑惧が生れるからだ、甲冑を着け太刀を持った敵兵と思えという拙者の言葉で、貴公たちの眼に敵が見えてくる、間近に迫った『面へゆくぞ』と叫べば、敵兵の剣が面へ来るさまが見える、そのときやられるかも知れぬという疑惧が生れて距離を誤ったり躰勢が崩れたりするのだ、……さっき云った一途不退転の心とは、つまりこの疑惧の念をうちやぶることから始めなければならぬ、相手が青竹であれ敵の強兵であれ、走りだしたら真一文字にいって斬り倒すその一途のほかには微塵もゆるぎがあってはならぬ、その