轻松读懂日语经典作品
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いもがゆ
薯粥
山本 周五郎
「講談雑誌」博文館、1943(昭和18)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,018 字 · 24 页
上背もあり骨組も逞しく、眉のはっきりした堂々たる風貌である。「用意がよくば、双方出ませい」城主が席に就くと惣兵衛がそう声をかけ、勝負は一本、遺恨あるべからずと云った。……隼人は拝礼して木剣を袋から出し、しずかに相手を見ながら進み出た。
図書介の木剣は三尺ちかい大きなものだった。かれは位置につくと、それを青眼にとって屹とこちらを見た。隼人は木剣を下げたままその眼を見かえした、両者の距離は二間あまりある。互いの双眸はしかと噛み合って、さながら空中に線を結ぶかと思われるようだった。そのまま時が経っていった。どちらも微動もしなかった。図書介の青眼の木剣も動かず、右脇へひっさげたままの隼人の木剣も動かない。ただ呼吸と眼だけが、一瞬の「期」をみきわめようとして火花を散らしている、……するとやがて、隼人がふいと躰をひき、図書介が絶叫しながら打ち込んだ。それはまるで隼人が誘いこんだようにみえたし、打ちを入れて伸びた図書介の籠手を、隼人の木剣が眼にもとまらず斬って取るのがみえた。
――勝負あった。監物忠善も、老職たちもそう認めた。しかし、図書介は、どうしてかそれを無視し、重ねてはげしく打ち込んだ。