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やぶのうぐいす
藪の鶯
三宅 花圃
「藪の鶯」金港堂、1888(明治21)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,356 字 · 65 页
はたしておしゃべりなりとは。供待ちの馬丁の悪口。総じていわば。十人並みには過ぎたるかたなり。前の貴嬢は少しかんじたというようすにて。
乙「しの原さん。あなたのおあにい様も。モウお帰りが近づきましたねえ。
篠原「エエ夏ごろに帰るといってまいりましたけれど。わたくしゃアいやですワ。めんどくさくって。
乙「オヤなぜでしょう。あなたおたのしみでしょうにねえ。そうして学校のお下読みや何かしておいただき遊ばすにようござりましょう。
篠「ナニわたくしはもう学校へまいりません。アノ父が胃弱で当節は大そうよわりましたし。母は御存じのわからずやですから。家事も半ば私くしが指揮いたしますので忙がしくって。
乙「オヤ。では英学はどう遊ばしました。おやめではござりますまい。でもあなたぐらいコンバルゼイションがお出来になればよろしゅうござりますネ。
篠「どうして。私くしは充分英学を勉強したい気ですから。このごろではあの御存じでしょう。山中というあの人は。学力もありますからたのんできてもらいます。随分忙がしゅうござりますよ。毎日毎日英語のけいこもいたしますし。うちのことや何かなかなか大変でござりますが。