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やぶのうぐいす

藪の鶯

三宅 花圃

「藪の鶯」金港堂、1888(明治21)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 31,356 字 · 65 页

青空文庫

私くしはふだん洋服でおりますが。母がいつでも下にあるものを裾でもって行くと申しますから。西洋では下へものはおきません。おくほうがわるいといつもけんかをいたしますワ。

乙「あなたは御格好がよろしゅうござりますから。よろしゅうござりますよ。あの宮崎さんのお妹さんは。まことに西洋人のようでござりますヨ。私くしの学校中でも御きりょうが一番よいという評判でござります。

篠「オヤ。でもあの方のシスタアは。目が大きいからこわいというではござりませんか。ものもよく出来ますか。

乙「エエ今年お十四におなりあそばしたのですが。お年ににあわずなんでもよくお出来になります。

篠「あのあなたは御平生もお洋服ですか。

乙「いいえ。ぜんたいふだんにきませんでは。軽便なこともわかりませんに。よそへ行く時にばかりだれもきますようになっておりますから。ただ華奢にばかりながれて。田中屋の白木屋のと服の競争をするようなもので。わたくしもどうかきるならば。平生にきたいと存じますけれど。塾も日本造りでござりますから。思うように参りません」と咄しをしているうち。一曲の踏舞は終り。斎藤は宮崎とともにいできたり。