轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

むし

虫

江戸川 乱歩

一~四「改造 第十一卷第六號 六月號」改造社、1929(昭和4)年6月1日<br>五~十二「改造 第十一卷第七號 七月號」改造社、1929(昭和4)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 44,053 字 · 86 页

青空文庫

そうする外には何の思案も浮ばなかった。「永久に……」と彼は何心なく考えた。だが、「永久」という言葉に含まれた、ある身の毛もよだつ意味に思い当った時、彼は余りの怖さに、ピョコンと立上って、いきなり部屋の中を、忙し相に歩き始めた。一刻も猶予のならぬことだった。だが、どんなに急いでも慌てても、彼には(恐らく神様にだって)どうすることも出来ないのだ。

「蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、蟲、ゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝ」

彼の白い脳髄の襞を、無数の群蟲が、ウジャウジャ這い廻った。あらゆるものを啖いつくす、それらの微生物の、ムチムチという咀嚼の音が、耳鳴りの様に鳴り渡った。

彼は長い躊躇のあとで怖わ怖わ、朝の白い光線に曝された、恋人の上にかがみ込んで、彼女の体を注視した。一見した所、死後強直が、さき程よりも全身に行渡って、作り物の感じを増した外、さしたる変化もない様であったが、仔細に見ると、もう目がやられていた。白眼の表面は、灰色の斑点で、殆ど覆い尽され、黒目もそこひの様に溷濁して、虹彩がモヤモヤとぼやけて見えた。