轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ろんごものがたり
論語物語
下村 湖人
「現代」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,688 字 · 266 页
やはり貧乏はしたくないものだ。)
(それにしても――。)
と、彼は急に昂然と左右を見まわしながら、心の中でつぶやいた。
(とにかく自分が何人にもへつらわなかったことだけは、まぎれのない事実だ。この点で自分は貧困に処する道を誤らなかったと公言しても差支えあるまい。先生だって、恐らくそれを許して下さるだろう。)
彼はいつの間にか、孔子の家のすぐ近くまで来ていた。
見ると、門の外に、三人の若い孔子の門人たちが、うやうやしい姿勢をして立っている。彼等は、丁度門をくぐろうとしていたところに、子貢の姿を認めたので、わざわざ歩みをとどめて、彼を待っていたものらしい。三人とも、数年前の子貢と同じように、ごく貧乏な人たちばかりである。
三人は、子貢が彼等のまえ二間ほどのところに近づくと、弟子の礼をとって、いともいんぎんにお辞儀をした。子貢も、殆どそれに劣らないほどの丁寧さで彼等にお辞儀をかえした。そしてほんの数秒間、途を譲りあったあと、先輩順に門をくぐることにした。子貢がその中の大先輩であったことはいうまでもない。
門をくぐり終えて子貢は考えた。
(2先生はかって、貧乏で怨まないことと、富んで驕らないこととでは、貧乏で怨まないことの方が難かしいと云われたが、必ずしもそうとは限らない。