轻松读懂日语经典作品
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
「しかし今日の仕事の結果が明日覿面に現れるんですから、考えようによっては却って励みがつきましょう」
「それもありますな。今日の失策が明日の朝物を言いますから、自然引きずられて行きます。誰だって負けるのは厭ですよ。私は毎朝各新聞の社会面と本社のを見較べます。此方が勝っている時は好い心持ですよ」
「御道理です」
「大抵勝っているんです。しかし時折ひどく見劣りのすることがあります」
「はゝあ」
「これが自分の編輯した新聞かと思うと、もう落胆してしまって、一日碌々口がきけません。実は今日は少しいけないんです」
「はゝあ」
「一向気焔が上りません」
と断ったものゝ、亀田さんの新聞記者一般心得は一時間近くに亙った。
「はあ。はあ」
と堀尾君は熱心に傾聴を続けた。
「何うです? 註文が多いでしょう?」
「いや、一々御道理でございます」
「ところであなたの部署ですが、差当り仕事に慣れるまで私の側で働いて下さい」
「宜しくお引き廻しを願います」
「専門の方へ廻るまでは一修業です。詰まらない雑用を頼みますから、期待を大きく持っちゃいけません」
「はあ。何なら校正からやらして戴きます」
「校正は係が別です。