轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まけないおとこ

負けない男

佐々木 邦

「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页

青空文庫

ハッハヽヽヽ」

と益※(二の字点、1-2-22)上機嫌だった。

「ひどく揺れるよ」

と他の二人が真似をして押す。それを幸いに、傍の男は、

「馬鹿に揺れる。危え。あれえ!」

と言って、又娘に寄りかゝる。この不体裁に乗客は皆眉を顰めた。車掌は見ない風をしていた。娘はもう辛抱出来なくなって立った。

すると褞袍の男は、

「そんなに嫌いなさんな」

と袂を引っ張った。

「好い加減にし給え」

と堀尾君は先刻から見兼ねていたところだったから、鋭く極めつけた。

「何だって?」

「馬鹿な奴だ!」

「馬鹿とは何だ?」

「馬鹿だから馬鹿と言うんだ」

「野郎、覚えていろ!」

と相手は睨んで、そのまゝ黙った。折から神保町の停留場だった。

「ヘエン!」

「ヘエン!」

と他の二人は咳払いをし続けた。

爼橋の停留場に近づいた時、堀尾君に叱られた男が決然として立ち上って、堀尾君に、

「やい。若造、下りろ!」

と申入れた。

「…………」

「用があるから下りろ!」

と次いで手首を掴んだ。

「僕は君達の相手になっちゃいられない」

「それじゃ詫を言え」

と引っ張った。

「お静かに願いますよ」

と車掌が心配した。

「よし。皆の迷惑になっちゃ済まない。