轻松读懂日语经典作品
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
「講談倶楽部」大日本雄辯會講談社、1930(昭和5)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 98,799 字 · 202 页
「賞与から出張の儲けを合せると村長どころじゃないそうだよ」
「それは然うでしょう」
「お前も一つ早く何処かへ入って貰いたいものだね」
とお父さんは一寸問題に触れた。
「はあ」
「お父さん、此奴は困りものですよ」
と玉男さんが素っぱ抜いた。
「何故?」
「五十円や六十円で自由を束縛されたくないと言うんです」
「然ういう意味じゃないですけれど」
と正晴君は頭を掻いた。
「会社は何といっても民間だ。五千万円あったって、何の驚くことじゃない」
とお父さんは天竺屋の言分が癪に障っている。
「…………」
「役人の方が威張れるよ」
「…………」
「何うせ縛られるなら、会社よりもお上の手で縛られる方が宜い」
「泥棒みたいですね」
「兎に角、縛られなけりゃ駄目だよ。今時、余饒を言っていると、食いっぱぐれになる」
「それは分っています」
「矢っ張り役人が宜いだろう。その積りで試験まで受けているんだもの」
「さあ」
「厭かい?」
「地方へ廻されますよ」
と正晴君、相応頭が好いのに、昨今は道子さんで目が眩んでいる。
「県庁だろう?」
「はあ、属官です」
「属官で結構さ。初めだもの」
「悪くすると村長に廻されます」
「村長結構」