轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うんめいのままに
運命のままに
豊島 与志雄
「黒潮 第壹卷第貳号」太陽通信社、1916(大正5)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,406 字 · 57 页
四
」
表には誰からとも認めてなかった。私は封を切った。
読んでゆくうち、初め一寸私は驚いたがやがて心が穏やかに静まってきた。私は二度くり返してそれを読んだ。
それはお島からのものであった。――漸く「おきな」を出て今は千駄ヶ谷の叔母のうちにいる、先日一寸お寄りしたがお留守であった、今日はお目にかかりたくなったのでお湯に行くと云って家を出て来た、けれどもいつか上った時のようにまたお友達にお目にかかるといやだから、近くの俥屋で筆をかりてこれを書いた、もしお隙だったら一寸お目にかかりたい、近いうちに遠くへ行くかも知れない。そんなことが急いで書いてあった。
私は、寒い夜を一人で私の所まで訪ねて来てまた帰ってゆく女の姿を見るような気がした。そして済まないことをしたと思った。彼女は自覚して嘘をつくほどのポリシーを持っている女ではなかった。
四
私は英子との愛に苦しむ時、時々酒を飲むことがあった。然しそれは苦しみを誤魔化すためではなかった。否却って酒を飲むと益々私の心は悲痛なものに張りつめるを常とした。そしてその緊張の底から湧いてくる悲壮なもので私は自分の心を益々刺激して興奮させていった。