轻松读懂日语经典作品
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てつのしょじょ
鉄の処女
大倉 燁子
「踊る影絵」柳香書院、1935(昭和10)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,706 字 · 42 页
とか云い訳らしく愚痴をこぼす。少し変でしょう? どうもその家が怪しいと思って探らせてみたら何の事でしょう、馬鹿々々しいそこに私の探しているあの女が囲ってあったんですよ」
「どんな女でして?」
「妖婦型のあくどいような女でした。道楽をしつくした男でも、その女にかかッたら離れられないそうですから、女遊びを知らない伯爵が夢中になるのも無理はないでしょう。シンガポールに出発したように奥様の手前をつくって、実は目と鼻の処へ家を持たせ、豪奢な生活をさせているんです」
「伯爵も隅に置けませんわね」
「しかもその女には支那人の情人があるんです。同じサーカスで奇術に出ていた優男なんですが、今上海で興業しているんです。伯爵は無論そんな男のあることは知らないし。女の方でも秘密にしているということが分ったから、私は今日その男の友人だと云って訪問したんです。女は喜んで直ぐ会いましたよ」
いつもながら夫人の大胆なのには敬服してしまった。私はちょっと冗談のように云った。
「化の皮がはがれやしませんでしたの?」
「そこは都合がいいんです。支那語と日本語をまぜっこぜにして、饒舌ってやったもんだから、奴さん、すっかり真物の支那人だと思い込んじゃったんです。