轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ながやてんいちぼう

長屋天一坊

山本 周五郎

「講談雑誌」博文館、1950(昭和25)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,453 字 · 57 页

青空文庫

「冗談いっちゃいけねえ、いくら大家さんだってふざけちゃいけねえ、わっちはこれでも左官としちゃあ腕っこきと云われてるんだ、酒のために貧乏こそしちゃあいるが、そんないかがわしいうしろ暗えまねは、これっぽっちもした覚えはねえんだ、あんまりばかにしたことを云わねえでお呉んなさい」

「なにをそんなに怒るんだ、儂はただ系図のことを聞いたばかりじゃないか」

「まだ云ってやがる、いってえおれがいつけえず買いをしたってんだ、もういっぺんぬかしてみろ、大家だろうが紺屋だろうが向う脛をかっ払って……」

これは威勢のいい男であり、店賃をきちんと払っている関係からして、右の如く簡単に片づいたのであるが、他の多くのばあいはこうはいかない。

「自分の家柄血統がわからないという筈はない、刀剣書画などでさえそれぞれ身分証明の由緒書がある、それが人間たるものがわからないという道理はない、え、そういう理屈だろう」

「まことにどうも面目しだいもございませんので、どうぞ私のところはひとつお目こぼしを」

「お目こぼしといってなにも儂は博奕やかっぱらいの詮議をしているわけじゃあない、儂がこれだけの家柄であってみれば、店子のおまえさん方の中にもそれ相当の人格がいるかもしれぬ、こないだの天一坊様の例もあることだ、もしそれ相当の御落胤とか、よもやというような家柄血統