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わたしのしごと しょうこうのしごと
青帛の仙女
上村 松園
上村松園『青帛の仙女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の仕事 松篁の仕事、わが母を語る、明治懐顧、昔尊く、古い記憶を辿って、芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を、冷かされた桃割娘、日本画と線、土田さんの芸術、栖鳳先生を憶う、随想、三味線の胴、今日になるまで、芸術三昧即信仰、砧、北穂天狗の思い出、寛政時代の娘納涼風俗、女の顔、想い出、帯の巾が広すぎる、大田垣蓮月尼のこと、絵筆に描き残す亡びゆく美しさ。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,693 字 · 68 页
彩色をしなくとも絵は画に成り得ますけれども、線なくしては画に成り得ません。成り得ない事はないとしても、線を全然無視する事は出来ないものであります。
そればかりか、実を申しますと、線だけで最も巧妙に出来た日本画は、まず色彩を施す必要のない程その画が貴い価値のあるものであろうと思います。こういう画には却って色彩を施すことはむだな事だという外はございません。私などでも往々そういう場合がございます。自分でやや満足に線が描けたと思います時には、どうもそれに彩色するのが惜しくて堪らないことがございます。
これほど私どもは線に重きをおいて居りますが、今の若い画家達……新進の人ばかりではございません、中には私等古参の方までが、とんとこの線ということに放縦になりまして、むやみとこてこて色を塗ることばかりを能事としている方が多くなったように見受けられます。
日本画の線は、その走り具合や、重たさや軽さによって、物体の硬軟や疎密は言うに及ばず、物その物の内面的実質までもその気持ちを如実に出すの妙があるのです。それでありますのに今の日本画家の内の多分の人は、この線の研究や鍛錬を軽んじて色を塗る事にばかり苦心をしていられるのは、日本画の持つ独自の特色を喪うものであると思われまして、誠に残念に思うところでございます。