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わたしのしごと しょうこうのしごと

青帛の仙女

上村 松園

上村松園『青帛の仙女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の仕事 松篁の仕事、わが母を語る、明治懐顧、昔尊く、古い記憶を辿って、芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を、冷かされた桃割娘、日本画と線、土田さんの芸術、栖鳳先生を憶う、随想、三味線の胴、今日になるまで、芸術三昧即信仰、砧、北穂天狗の思い出、寛政時代の娘納涼風俗、女の顔、想い出、帯の巾が広すぎる、大田垣蓮月尼のこと、絵筆に描き残す亡びゆく美しさ。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,693 字 · 68 页

青空文庫

栖鳳先生を憶う

さあ明治二十七、八年頃ですか、楳嶺先生や竹堂さんや吉堂さんなんどの方々がまだ生きていられ、栖鳳先生も三十歳になるやならずでその時分の絵の展覧会を今と比べて見ると、なんとのうのんびりとしていたようどす。その時分私が二十二歳で桃割髪に鹿の子を懸けて、ある人の手引で栖鳳先生に教えて頂くようになりましたのどす。その時分に何だかの寄付画であったと思いますが、尺八位の絹地に栖鳳先生が〈寒山拾得〉を描かれましたが、それを見て大そう感心しました。古画より生気溌剌として大変に当時評判どした。それをな、直写しさして貰いましてな……それから御殿に絵画共進会があった時に〈牧童〉を出品されましたが、二人の牧童が一人は居眠り、一人は寝転んでいる大きな絵で、これも大評判でなかなかの力作どした。これもな、直写しさして貰うたのどすが、時折に古い昔の粉本を出してそれを広げて見てその当時を憶い出します。

栖鳳先生の教え方は、こうせいと言う様に、決して師匠が押し付けずに、そのものの個性と特徴とを引伸ばすように教えられ、暗示的でその時には先生の言われた事がわからなかったが、あとで考えて見て成る程と合点が出来るようにな……。