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わたしのしごと しょうこうのしごと
青帛の仙女
上村 松園
上村松園『青帛の仙女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の仕事 松篁の仕事、わが母を語る、明治懐顧、昔尊く、古い記憶を辿って、芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を、冷かされた桃割娘、日本画と線、土田さんの芸術、栖鳳先生を憶う、随想、三味線の胴、今日になるまで、芸術三昧即信仰、砧、北穂天狗の思い出、寛政時代の娘納涼風俗、女の顔、想い出、帯の巾が広すぎる、大田垣蓮月尼のこと、絵筆に描き残す亡びゆく美しさ。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,693 字 · 68 页
芸術三昧即信仰
人は苦しまなければいけない、苦しんでこそ初めて生まれるものが有る。わたしはひと頃異常に生きていることに疑問を感じたことがあった。何のために生きているのだろう。画を描くことによって画名を揚げてさて何になるのだろう。むしろ死んだ方がいいのじゃないかと悶えたことがあった。四十歳前後のことで、考えてみればはや二十年ばかりも前のことである。
そんな時分にはよくわたしは貧民街を歩いたりした。そして画を描いて苦しんでいるよりも、こうした人達が何となく喜んでいる生活をうらやんだものである。
その当時わたしは建仁寺の黙雷禅師の法話を聴きに行ったことがある。年ははっきり覚えませんが、日は四月の二十二日だった。しとしとと春雨の降る日、つとにおきて僧堂に禅師を訪ねました。有り余るなやみを胸に抱いて禅師の教えを乞いに参じたところ、詰所の人が禅師はお休みだからと断るようでした。わたしは「では一時間でも二時間でもお眼ざめまで待っているから」と言って、やがて起き出られた禅師をお待ちしました。そして凡そ二時間余り別にこれと言ってなやみを打ち明けるでもなく禅師の法話をお聴きしているうちに、すーと雲が引くようになごやかな気になったのです。