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わたしのしごと しょうこうのしごと
青帛の仙女
上村 松園
上村松園『青帛の仙女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の仕事 松篁の仕事、わが母を語る、明治懐顧、昔尊く、古い記憶を辿って、芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を、冷かされた桃割娘、日本画と線、土田さんの芸術、栖鳳先生を憶う、随想、三味線の胴、今日になるまで、芸術三昧即信仰、砧、北穂天狗の思い出、寛政時代の娘納涼風俗、女の顔、想い出、帯の巾が広すぎる、大田垣蓮月尼のこと、絵筆に描き残す亡びゆく美しさ。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,693 字 · 68 页
想い出
土田麦僊さんが御在世の折、よく私の筆胼胝が笑い話になりましたものです。
無理もないことで、私が絵筆を執り始めてから、今日まで丁度丸々五十年になります。今年六十七歳になりまするが、この五十年間を、私は絵と取組んで参った訳になります。
明治八年四月二十三日が私の生まれました日で、父は二ヶ月前の二月に亡くなりましたので、その時分の事ゆえ、写真など滅多になく、私は全然父の顔を知りません。「お父さんはどんな人」と言って尋ねますと、「あんたによう似た人や」と、親類のおばさん達が、笑いながら教えて呉れたものです。姉妹ただ二人きりで、私は母と姉を、父とも母とも思って成長致しました。
明治十四年、七つの時、仏光寺の開智校と申す小学校に入学致しましたが、この時分から私は絵が好きで、四条に野村という儒者が居られましてこの方から絵を習いました。これが私の絵の習い始めで、その時開智校で教えて戴いた中島真義先生が、私の描きます絵をいつも褒めて下さりまして、ある時京都中の小学校の連合展覧会に私の絵をお選び下さいまして、その時御褒美に硯を頂戴致しました。この硯は永年座右に愛用致しまして蓋の金文字がすっかり消えてしまいましたが、幼い私の中に画家を見付け出していろいろ励まして下さいました中島先生の御恩は一生忘れることが出来ません。