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わたしのしごと しょうこうのしごと

青帛の仙女

上村 松園

上村松園『青帛の仙女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の仕事 松篁の仕事、わが母を語る、明治懐顧、昔尊く、古い記憶を辿って、芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を、冷かされた桃割娘、日本画と線、土田さんの芸術、栖鳳先生を憶う、随想、三味線の胴、今日になるまで、芸術三昧即信仰、砧、北穂天狗の思い出、寛政時代の娘納涼風俗、女の顔、想い出、帯の巾が広すぎる、大田垣蓮月尼のこと、絵筆に描き残す亡びゆく美しさ。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,693 字 · 68 页

青空文庫

正月の松の内など、店も表戸をしめて休みますが、その頃は出入口の戸障子に、酒屋なら「酒」お茶屋なら「茶」と大文字でかいてあったものですが、母は、そんな大文字も自分で書きました。店先にさげる大提灯も提灯やのかいた「茶」の字が、しけているといって真白く張りかえさせて自分で大きく「茶」とかきました。私は、その墨をすらされたので、よう覚えています。

私が二十八、九歳の頃、母は茶の商売をやめました。人は三十にして立つと言いますが、私も絵を描いて立ってゆけそうでしたので、母は私を絵をかく人らしい環境におこうと考えて商売をやめ、私が三十の年には、御池の車屋町に上品な家があったので、そこへ移り住みました。母は茶商売をやめる時、茶壺に残った沢山のお茶を「長年御ひいきに預りまして有難うございました」と言って、いつも玉露を買ってくれるところには玉露、煎茶のところは煎茶、お薄のところへはお薄と、全部配って挨拶しました。母は、こんなずばっとしたことを時々やります。

生粋の京娘

けれど一方世帯持ちは実によいのでした。こんな話をすると人は何と思われるかしれませんが、母は戴きものをすると、水引きは丁寧にほどき、長い棒にあてて、紙でくるくるとまく。