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わたしのしごと しょうこうのしごと
青帛の仙女
上村 松園
上村松園『青帛の仙女』。同一底本的分册已合并为一书。收入:私の仕事 松篁の仕事、わが母を語る、明治懐顧、昔尊く、古い記憶を辿って、芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を、冷かされた桃割娘、日本画と線、土田さんの芸術、栖鳳先生を憶う、随想、三味線の胴、今日になるまで、芸術三昧即信仰、砧、北穂天狗の思い出、寛政時代の娘納涼風俗、女の顔、想い出、帯の巾が広すぎる、大田垣蓮月尼のこと、絵筆に描き残す亡びゆく美しさ。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 28,693 字 · 68 页
こんなことを思い出します。夕方から縄手の三条の親類へ母が行きましたが、夜になっても帰らない、雪もチラチラしてくる。私は心配になって「迎えに行こう」と言うと、姉は、「もう帰らはるやろ、行った先は分っているのやさかい、傘も貸してくれはるやろ」と言うのですが、私はどうしても迎えに行きたくなって、一人で行きました。
丁度、母は腰を上げて帰ろうとしていたところでしたが、私を見て「おや」と驚いたらしいのですが、「よう来た」と大へん喜んでくれ、「おう、おう、さぞ寒かったやろ」とかじかんだ私の手を母の両の掌の中にはさんで、もんでくれました。
母は昭和九年、八十六歳で亡くなりました。が、七十九歳で脳溢血で倒れるまで、実に壮健で、外出すると、若い者の先にたってずんずん歩くという風でした。松篁の嫁を迎えるのも見、曾孫三人の遊ぶのを眺めて、幸せな晩年を送ったのでした。
(昭和二十四年)