轻松读懂日语经典作品
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しゃべりすぎる
饒舌りすぎる
山本 周五郎
「オール読物」文藝春秋新社、1962(昭和37)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,957 字 · 55 页
幸い土田は無事だったが、小屋敷はところ替えになり、小野は的場下へ移された。そこは武家町の殆んど端に近いので、そのため土田へゆくにはお城の大手をまわって、煙硝蔵のある二の丸下まであるかなければならなかったが、それでも一日に一度は必ず、どちらかが訪ねあうのであった。
かれらが二十六になった年の十一月、雪の降る日のことだったが、下城の刻のちょっとまえ、例のように、記録所へ十太夫が走りこんで来た。もちろん、例によって汗まみれの稽古着である。
「おい、土田」と十太夫がどなった、「まだ終らないのか」
土田正三郎は机の上へ手を振ってみせた。そこはきれいに片づいており、硯箱にも蓋がしてあった。
「よし、帰りに袖町のよし野へゆこう」と十太夫がどなった、「雪見酒をやろう、よし野で雪見酒をやろう、いいな」
まわりにいた下役たちは、それぞれの机の前で、にやにやしながら眺めていた。十太夫はとびだしてゆき、すぐに戻って来た。
「おい、土田」と十太夫はどなった、「よし野はだめだ、あそこでは雪なんか見えやしない、今日は枡平にしよう、気にいらないが枡平なら雪が見られる、いいな、枡平だぞ」