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たましいのあえぎ
魂の喘ぎ
大倉 燁子
「宝石 二巻一〇号」1947(昭和22)年11月、12月合併号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,081 字 · 20 页
それが可哀想で小叱を云う気にもなれません。
そうした事の続いたある日、私は公高の部屋で思いがけない沢山の物品を見たのです。ダイヤの指輪、女の腕時計、絽刺の紙幣入、その中にはかなりの大金が入っていた、私はかあッとなって眼がくらくらとしました。ハンド・バッグが二個、一つは鰐革、一つはエナメル、開けて見ると立派なコンパクトやらクリーム入れやら、女の持つものがぎっしり詰っている、私はガタガタ慄るえて、どうにもふるえが止りません。どこからこれだけの物を運んできたのでしょう、無論買うだけの金は与えてありません、すると――、ああどうしたらいいのでしょう。私の頭の中は混乱してしまいました。卒倒しそうになります。
公高の将来にかけた期待が大きかっただけに失望は更に大きかったのです。今となってみると近所の小母さんの言葉もほんとうだったのでしょうし、女中部屋の盗難も――、友達を誘惑して学校をサボったのも――、みんな彼がやったことに違いない、私は悲しみのどん底に呻吟きながら、部屋の中をのたうち廻りました。私の血はどんどんと頭へ逆流して物の判断もつかないようになりました。