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たましいのあえぎ

魂の喘ぎ

大倉 燁子

「宝石 二巻一〇号」1947(昭和22)年11月、12月合併号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,081 字 · 20 页

青空文庫

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です。

私は公高の死体を人工ミイラにつくり上げるつもりだったのです。自然ミイラの如ききたならしいものでなく、彼の美しさを永久に保存する人工ミイラです。実は私自身死んだらそれを行ってもらいたい願いで、多年研究していたものです。

さて、公高の死体も現われず、さればと云って生きている証拠もないので行方不明ということになりましたが彼が発見されるまでは失踪の日を命日とすることに定めたのです。

三年目の祥月命日、即ちこの遺書を認める前日私は信託へまいり、寝観音を開いて見ました。私の製造した人工ミイラ! ああそれは美事に成功していました。生けるが如き彼の美しい顔は生前と少しも変りません。私は感激の涙を流しながら、新らしいアドソールと古いのとを入れ替えもとの通りに封じて帰りました。公高は仏の中に生きています。永久に――。

それを見届けてから、私は自分の罪にふくす、それは最初からの覚悟でございました。

藤原公正様藤原冴子」

4

公正は遺書を読み終ると徐ろに席を起って、

「実はこれから皆様と御一緒に観音の背部を開けようと思うのです。私共はまだ何も手をつけておりません。では――、どうぞ」