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たましいのあえぎ

魂の喘ぎ

大倉 燁子

「宝石 二巻一〇号」1947(昭和22)年11月、12月合併号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,081 字 · 20 页

青空文庫

彼を先頭にして客はぞろぞろと従いて行った。まるで墓を発きでもするような気持ちだったので、多少の好奇心はあるものの、誰一人口をきく者はなく、ただ跫音のみ長い廊下を続いていた。

やがて、公正の指図で家扶と執事は寝観音の後ろへ廻わって封を切り、鍵を開けた。二人が背部へ手をかけようとした時、「ちょッと、待て!」と公正は制し、一同に向って、「皆様、ずっと近よって下さい。只今、観音を開けますから――」と云ってから、両人へ合図の眼を向けた。

緊張した顔を並べて一同固唾を呑んだ。重苦しい空気が室内に充満した。

ガチャリ! 背部はぱっと開かれた。

「あらッ※(疑問符感嘆符、1-8-77)」

「まあ!」と呆れたというような声がした。

「やあ、これは――、これは――」公正は呆然として顔が蒼白になった。

「何んだ! 人形じゃないか」編集局長は噛んではき出すように云った。

美事な人工ミイラを想像していた人々の前に現われたのは、よにも可愛らしい水兵服を着た男の子の人形であった。

公正は事の意外に面喰って、弁解の言葉もなく、途方に暮れている時、ふと人形の胸に抱いている第二の遺書らしきものを見た。