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たましいのあえぎ

魂の喘ぎ

大倉 燁子

「宝石 二巻一〇号」1947(昭和22)年11月、12月合併号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,081 字 · 20 页

青空文庫

彼は救われた、ほっとして、これを手にとり上げ、

「皆様! ここに別な遺書がありました。さあ、これを読んでみましょう」

さっと封を切った。

「人工ミイラをつくりたいと思ったのですが悲しい事に女一人の手ではどうにも所置が出来ません。それで已むなくあきらめて、この邸内の雑木林――、そこは蛇が出るので家人の近寄らないところです――、の栴檀の樹のもとに穴を掘って埋めてやりました。今頃はもう醜い白骨になっていることでしょう。美しい人工ミイラに出来なかった事はかえすがえすも遺憾です。それでせめてもの心やりに懇意な人形師に頼み、公高の似顔をつくらせ、それを時折眺めに信託にまいり、僅かに慰めていたのです。

藤原公正様藤原冴子」

公正の命によって、直ちに雑木林の栴檀の根元が掘り返えされ、間もなく公高らしい少年の白骨が現われたと執事によって報告されたのだった。