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かんしょうりょくなくしてしゅうじするなかれ
魯山人書論
北大路 魯山人
北大路魯山人『魯山人書論』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鑑賞力なくして習字する勿れ、芸術的な書と非芸術的な書、習書要訣、書道習学の道、書道と茶道、書道を誤らせる書道奨励会、美術芸術としての生命の書道、よい書とうまい書、遠州の墨蹟、現代能書批評、高橋箒庵氏の書道観、陶磁印六顆を紹介する、能書を語る、墨蹟より見たる明治大正の文士、魅力と親しみと美に優れた良寛の書、牧渓の書の妙諦、柳宗悦氏の筆蹟を通じその人を見る、良寛の書。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,639 字 · 175 页
入選するしないなどは頓着しなかったのですが、不思議にも入選いたしました。それはこの頃の帝展に入選したような騒ぎです。新聞には写真が載りますやら、私は大変に驚いたのであります。そして開会の時に行ってみますと、大変にいい場所に私の隷書が陳べてありました。それが私の二十二歳の時だったのであります。二、三日してまた会場に行きますと、売約済の札が附いております。私はまた驚きました。親類の者等も大変に悦びまして、誰が買い手であるか探ってきて私に告げるということでありました。その購買者は、実は時の宮内大臣田中光顕伯であったので、私はますます驚いたのであります。それからまた二、三日しますと出頭命令がありました。素寒貧の書生のことでありますから、他人の羽織袴を借りまして、私は出頭したのでした。ところが、呼び出された受賞者中、私の名はなかなか出てこないのです。しかるに最後から三番目に呼び出されました。私ははからずも優賞者だったのであります。その選者は日下部鳴鶴翁や巌谷一六士だったのであります。そして、その受賞者には私のような二十歳余りの書生は殆どありませんでした。それは白鬚をたくわえた五十歳以上と考えられる人々ばかりでした。