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かんしょうりょくなくしてしゅうじするなかれ

魯山人書論

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人書論』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鑑賞力なくして習字する勿れ、芸術的な書と非芸術的な書、習書要訣、書道習学の道、書道と茶道、書道を誤らせる書道奨励会、美術芸術としての生命の書道、よい書とうまい書、遠州の墨蹟、現代能書批評、高橋箒庵氏の書道観、陶磁印六顆を紹介する、能書を語る、墨蹟より見たる明治大正の文士、魅力と親しみと美に優れた良寛の書、牧渓の書の妙諦、柳宗悦氏の筆蹟を通じその人を見る、良寛の書。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 84,639 字 · 175 页

青空文庫

墨も悪い墨であると粘りっこいので、膠が多いから書きにくいというようなことはありますが、これまで程君墨というような良墨もありますが、そういうものを持ったからといって、別段によい字が書けるということはありませぬ。絵もその通りであります。大雅などの描いている墨色は頗るよい墨色でありますが、あれはやはり大雅の人の色でありまして、墨がよいというのではない。墨でよい絵が出来ますならば、絵描きなどは高い墨さえ使えば宜いのでありますが、そんな墨をなんぼ持った所がよい色が出るものではない。もしこれを化学的に分析しましたならば、大雅の墨色も松花堂の墨色も同じ色に違いない。同じ墨で書いたのだから……、けれどもこれがちょっとした濃淡とか、ちょっとした筆の遅速だとか、その人の品格だとかいうような関係で墨色の感じが紙上に変わる。そこで十人寄れば十人の墨色が出るのであります。しかし、それは墨色が変化したのではない。その人が墨色に化学的変化を及ぼしたのでもない。墨色が変化したのではなく、その人の色が墨とは別の関係で出たということであります。例えば、例がまるで違いますが、人の足音なんかでも知っておれば人が分ります。