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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
線上閱讀中村 清太郎《ある偃松の独白(あるはいまつのどくはく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 132,905 字 · 262 頁
つまりこの動きは、あくまで、「生」の現象――あるいはその影――と思われるのである。
白檜の動きは(とくに白馬の場合)見たところ、手指を屈めたまま、腕を捻って上向けにしたり、下向けにしたりする変化とも、思われたが、偃松で眼近かに見ると、そうではなく(枝にしるしをつけて試してみたが)、指をただ下に屈したり、伸ばして上へ反らしたりする、という動き方であった。ただし白檜のが、果して偃松と同じ動き方であるかどうかは、多少の疑問もないではない。あの白檜の真の枯木によく見られる、幹や枝の木理のねぢれを思うと、何かそんな気もするのだ。ともかく、もっと精細に、かつ他の樹種について、たくさんの場合を経験しなくては、適確な判断はくだせないこともちろんである。幸いにそうした経験を持たれた方々の御示教を、かさねて待望してやまない。(昭和二十七年三月)――「国立公園)
〔追記〕――その後三十一年夏に、四度目の経験をした。樹はやはり白檜で、場所は三俣蓮華と鷲羽岳との鞍部。三俣小屋から黒部源流にくだる道を、三百メートルばかり行くと、左手の小高い山坡の偃松の中に、三メートルほどの白檜がある。