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あるはいまつのどくはく
ある偃松の独白
中村 清太郎
線上閱讀中村 清太郎《ある偃松の独白(あるはいまつのどくはく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 132,905 字 · 262 頁
奈良大仏蓮辨彫画
けだし浄土の純美と壮厳を現わすもので、つまり山岳が地を挺んでて天に参する心持ちと、その崇高厳粛この世のものと思われぬ特質とが、こうした浄土図にふさわしい構成要素となったものにちがいない。壁画は密陀で描かれ、年代は白鳳期とされている。
こうして見ると玉虫厨子絵以下、わが古代美術のクリームともいうべき法隆寺金堂の中で、山の姿の占める地位は思いのほか重要なものではあるまいか。(後に小壁の多くは辛く難をまぬがれたと聞いて、喜びにたえない。いうまでもなくあの火災で。)
銀河の挿図
奈良大仏蓮辨彫画
東大寺盧舎那仏の蓮華座、その大花弁に山が筋彫になっている。これは仏教の世界図、つまり宇宙観で、われらの住む土地の属するのが、ひとつの日月の照らす須弥世界、それが千集って小千世界、それが又千集って中千世界こうして――三千大千世界、百億須弥をなす……これは、太陽系から銀河系、超銀河系と膨脹してゆく、今の天文学の宇宙説を予言しているようで、すこぶる妙だ。ここにはその須弥世界と三界を、線彫りで大胆簡明に図示してある。彫ってはあるが画で、素描の美しさを持っている。無雑作な円で須弥世界を囲み、その上に横線を重ねて三界の諸天を現わす。