輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《上杉謙信(うえすぎけんしん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,102 字 · 256 頁
「おまえは、妻女山まで行ったか」
「へい。参りました」
「妻女山のどの辺まで」
「山の上から、方々、歩いてきました」
「どうして敵に捕まらなかったか」
「わからねえでがす。おらにも」
「妻女山には、何があった」
「上杉方の武者衆が、たくさんいました」
「山上まで歩いたならば、謙信のいる本陣も見かけたであろう」
「へい。ちょうど、山の上に一晩夜を明かしましたで」
「本陣を窺ったか」
「夜半に、琴の音が聞えましたで、はて、変だなと思いながら、木の蔭を、ごそごそ這ってそこまで行きました」
「琴の音が? ……。琴の音とは何じゃ。夢でも見たのではないか」
「おらも、初めは、夢かと思いましたが、覗いてみると、大将の謙信が、小さな唐琴を、膝にのせて、弾いておりましたで、やっぱり夢でなかったと思いました」
「覗いたとは? どこを」
「篝の燃えている本陣の内を」
「そこで、謙信がただひとり、深夜、琴を弾じていたと申すか」
「ひとりでございませぬ。陣幕の裾のほうへ退がって、若い大将、髪の白い大将、何やら五、六人はおりましただが、みな、居眠っているのやら、泣いているのやら、首をうなだれて、じっとしておりました」